誠に勝手ながら赤沢・井奥法律事務所・赤澤行政書士事務所は、下記の期間休業とさせていただきます。ご不便をお掛けしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
令和3年5月2日(日)~令和3年5月5日(水)
なお、この間もお問い合わせフォームからのご相談・お問い合わせは受け付けておりますが、当事務所からのご連絡は5月6日(木)以降となりますので、あしからずご了承ください。
一日も早くコロナの感染拡大が終息しますように。
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一日も早くコロナの感染拡大が終息しますように。
数年前に話題になった「紀州のドン・ファン」事件。今日、当時の妻が殺人容疑で逮捕され、メディアの格好のネタになっています。遺産が査定済みのものだけで13億とも言われていますので、しばらくはお茶の間を賑わすのかもしれませんね。
今回の事案をざっくりみると次のような事実があった模様。
・夫はコピー用紙に赤ペンで走り書きの遺言を残していた
・遺言の内容は市に財産を全額寄付するというものであった
・夫の兄弟は遺言の無効を争っている
・妻が夫殺害の容疑者として逮捕された
これを一般化すると論点としては次のようなものが挙げられるでしょうか。
・夫の自筆の遺言は有効か(自筆証書遺言の有効要件)
・夫は市へ全額寄付することはできるか(遺留分制度)
・夫の兄弟に相続権はあるか(相続人の範囲)
・夫を殺害した妻に相続権はあるか(相続欠格)
・相続税は発生するか(寄付と相続税)
逮捕された妻はまだ被疑者の段階ですからここではそれ以上触れることはしませんが、事案全体を相続ネタとしてみるといろいろな素材があって勉強になりそうです。
相続で切っても切り離せないのが土地や建物、いわゆる不動産。
不動産は他の財産(動産という)と違って、他人に自分の権利を主張するには、国が公開している帳簿に登録する「登記」という手続きが必要です。
登記をすると、売買契約書など自分が権利を取得したことが分かる書面に登記官が「登記しましたよ」というスタンプを押してくれるのですが、これが「登記済証」すなわち「権利書」となります。この権利書で不動産の権利者であることを確認するわけですね。相続手続では依頼者のご実家にそのような「権利書」があれば探していただくことになります。
もっとも、現在は、登記のオンライン化に伴う平成16年の法律改正でそのような紙の登記済証の制度は廃止されました。代わりに12桁の記号数字の暗号(登記識別情報といいます)が不動産の権利者の確認方法になりました。したがって、平成17年以降に取得した不動産に関してはこの登記識別情報の通知書がいわゆる権利書の役割を引き継いでいます。
そんな不動産登記ですが、実は登記をするかどうかは権利者の権利であって義務ではありません。つまり、不動産を購入したり相続したりしても、その権利を他人に主張するための「登記」をするかどうかは権利者の自由なのです。
しかしそれがために、登記が契約上の義務になる売買の場合はともかく、相続で不動産を取得したときは登記が義務でないため、登記費用や登記の手間を嫌って登記せずに放置されたり、相続人がいない、もしくは決まらずそのまま何代も未登記で放置されることが少なくありません。
その結果、不動産登記簿からでは所有者が確認できない「所有者不明土地」が増えてしまい、その割合がいまや全体の20%を超えているそうです(平成30年版土地白書)。
面積でいうとなんとトータルで九州全土を超えていて、不動産の利活用に支障をきたすということで社会問題化しています。
そこで今般、国会で相続登記の義務化が諮られ、昨日関連法案が参議院を通り成立しました。これによって3年後、2024年からは相続登記の義務化が始まる予定です(名義や住所の変更登記も義務化)。
相続登記の義務化で、相続から原則3年以内に登記をしない場合は罰則(10万円以下の過料)が課せられることになります。が、同時に相続登記の簡素化も予定されています。
相続登記は比較的単純な登記ですので、現在でも時間と手間を惜しまなければ相続人が本人のみで申請することは十分可能ですが、法改正によってさらに手間や費用が軽減され、誰でも手軽に相続登記が申請できるようになるのは良いことだと思います。
当事務所でも弁護士と相続アドバイザーが相続登記のサポートをおこなっていますので、相続登記制度改正のフォローは引き続きしていきたいと思います。
今日、数年前から話題の「尿一滴で全身のがんリスクが分かる」という画期的な検査方法、線虫検査「N-NOSE」を受けてきました。
お付き合いのある保険会社の知人が昨年末にN-NOSEを受け、最近その結果が帰ってきたという話を聞き、N-NOSEに関しては昨年の初め頃から注目していたこともあって、これは自分も試してみなければと思って受けてみた次第です。
線虫検査とは、テレビなどマスメディアで数年前から話題になっていた、「線虫」を使ったがん検査。がん特有の匂いに寄ってくる線虫の特性を利用した画期的な検査方法です。
この線虫検査、尿一滴で全身のがん(現時点では、胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎、膀胱、卵巣、口腔・咽頭の15種類)をステージ0、Ⅰの早期から検知してくれます。
感度、すなわちがん患者をがんと判定する確率も、現時点で86.3%、特異度、すなわちがん患者でない者をがんでないと判定する確率は90.8%と、一般的な腫瘍マーカーに比べても高精度だそうです。それでいて検査費用が9,800円(税別)と格安。
こんな夢のような検査方法が「N-NOSE」という名称で、昨年からすでに実用化が始まっています。
昨年はじめの立ち上げ当初は提携病院のみの取り扱いで、しかもほとんどの病院では人間ドックとセットでしか扱ってなかったのですが、現在は各主要都市に拠点が設けられ、検査キットもネットで手軽に購入できるようになっています。
検査を受ける場合はネットで検査キットを購入、添付のIDとパスで専用ページから提出日を予約し、自宅で採尿、各主要都市(現在は東京・大阪・福岡・名古屋・京都・仙台・金沢・広島など)に設けられた窓口に持っていく仕組みです。
というわけで、僕もさっそくN-NOSEの販売ページでキットを注文してみました。
このような箱で届きます。
キットの中身はこんな感じ。冊子には手続案内のほか、予約専用ページのアドレスとID、パスが掲載されています。
おなじみの検尿用紙箱、スポイトと採尿容器。
採尿は食事から4時間以上空けること、採尿後4時間以内(夏場は2時間以内)に窓口まで持参することが必要です。自宅を出られない方は回収してもらうことも可能(有料)ですが、この場合は採尿後すぐに冷凍し、冷凍状態で集荷してもらう必要があります。結構、鮮度に敏感なようです。あと前日のアルコールもダメ、体調不良や寝不足もだめ。採尿だけとはいえ、なかなか気を使います。
ということで、僕の場合、朝起きてすぐの尿を採尿することにし、前日はアルコールを避け、採尿後3時間程度で大阪駅の窓口「N-NOSEステーションOSAKA」に持っていきました。
大阪駅中央口から地下鉄方面すぐの大阪第一生命ビルへ。
階段を降りた地下1階すぐのところにあります。ここで検体を提出して終了。
検査結果が出るのは提出から6週間後で、リスク判定結果を郵送してくれます。今からだと6月ごろでしょうか。
もしも検査結果が「陽性」つまり「高リスク」だったらと思うとドキドキものですが、この検査はあくまで線虫が尿の臭いにどれぐらい寄っていったかでがんのリスクを判定するというもの。高リスクだからといって、がんに罹患していると確定されるわけではありません(なのでN-NOSEも「一次スクリーニング」と称しています)。
「高リスク」と判定されれば「もしかするとがんがあるかもしれない」という予断をもって二次検査に臨むことになるでしょう。また保険でがんに備えるかもしれません。
もちろん「低リスク」なら9割方がんでないということになるので一応はホッとしますが、油断大敵。定期的な検診を心がけ、気になる症状があれば積極的に医師に相談したいと思います。
今やがんは早期発見で治る時代です。このN-NOSEのような画期的なツールも活用しながら、人生終盤まで楽しく過ごしたいものです。
遺言を書くことは終活のいい気きっかけになりますという話。
正確には、遺言を書こうと考えてみること、といってもいいかもしれません。
このコロナ禍でこれからの生活に不安を抱く人も多いと思います。また突然の感染で万一のことがあったら、と考える人も少なくないでしょう。でもピンチはチャンス。
ここで一旦立ち止まって、これからの人生をどう設計していくのがベストか、リスクに備えるにはなにをすべきか、考えてみるのもいいのではないでしょうか。
そのきっかけになるのが遺言です。
遺言を書くには少なくとも自分の持っている財産と自分の家族・親族に思いを馳せる必要があります。
それが自分の人生の棚卸しに繋がります。
人生中盤から後半に至って、自分の歩いてきた人生を振り返ってみる。さてこれまで歩いてきた人生は自分にとって満足いくものだったろうか。何を成し遂げただろうか。まだまだ続くこれからの人生で何を成し遂げようか。
遺言を書いてみようか、と考えることは、実際に書き上げるまでに至らなかったとしても、その時点での自分の人生を振り返るのにいいきっかけになります。そしてこれからの人生に思いを馳せ、目標達成には何が必要か、リスク回避には何をすべきか、つまり終活を考えることにも繋がるのです。
ぜひ、気軽に遺言を書いてみてください。チラシの裏でもいいですから。
プロフィールを読んでいただくと分かるように、僕の専門は相続手続全般です。
もともとは法律事務所の職員として裁判実務の補助全般を行っていたのですが、10数年ほど前からはなんとなく相続関係の業務を扱うことが増えてきまして、すでに保有していた行政書士の資格を登録したこともあって、次第に相続業務を専門とするようになっていきました。相続業務が性に合っていたのかもしれません。
現在は行政書士として弁護士と連携しながら、遺言書作成から、遺言執行、遺産分割協議書作成、遺産整理手続全般のほか、相続登記や相続税申告手続(これらは弁護士・税理士の補助として)まで、相続手続きのほぼ全般にかかわる業務を行っています。
それに加えて、ここ数年は相続にとどまらず、いわゆる「終活」という大きな視点で相続も捉えなおす必要があることを感じています。
これまで関わってきた相続業務はいわば人の死という「点」の出来事を起点として発生する業務であることが通常でした(法律事務所経由の案件が多いということも一因でしょうけど)。その「点」が発生する前からその人の人生に長く関わることは(遺言作成業務はある種その様相はありますが)、基本的にあまりなかったと言っていいでしょう。
むしろ人の死という「点」の後に起こる様々な混乱、たとえば親族同士の争いだとか、残された家族の困窮だとか、を目の当たりにすることのほうが日常でした(これも法律事務所の相続案件という特殊性が大いに関わるところですが)。
そしてそのような相続によって家族同士で心ならずも争いになってしまう現実をみながら、円満な相続を実現するためには相続という「点」だけに関わっているだけではダメだ、人生後半から相続発生までを「線」として関わる必要があるのではないか、ということを常々感じていました。
そのタイミングで出会ったのが「NPO法人相続アドバイザー協議会」「終活カウンセラー協会」という民間団体であり(現在は非会員)、またファイナンシャル・プランナー(FP)という国家資格でした。これらの団体の研修を受けたり、FP取得のための勉強をする中で、相続を具体的に「線」として扱うにはどうすればいいのか、を学んでいきました。
そして僕なりに考える「終活」のイメージが出来上がってきたのです。
この「終活」というのもだいぶ定着してきたワードですけど、決まった定義はとくになくて、いろいろな人や団体が独自の定義をしているのが現状です。このホームページでは「終活」を「人生を終わりまで楽しく暮らすための活動」としています。
終活といえばお墓とか葬儀とか供養とか。あるいは相続だとか断捨離だとか。そういう自分が死ぬときを想定して、そこに備えるための活動、とすることが一般的ではあります。
もちろん、その狭い意味での「終活」も大事です。
ただ、人はどうしても自分の「死」をはるか遠いものとして想定しがちです。実際はすぐ近くに来ているかもしれないにもかかわらず。だから、「終活」自体もはるか遠いものとして、自分には当面関係ないものと捉えてしまいます。でもあなたがいつ死ぬなんてことは、誰にもわかりません。明日かもしれないし、1年後かもしれない。
だからあえてこのサイトでは「終活」を思いっきり長いスパンで考えてみることをおすすめしたいのです。終活とは人生を終わりまで楽しく暮らすための活動。そう捉えると、終活を早く始めてみたくなりませんか。
じゃあその「終活」って具体的になにするのよ、ってことになりますが、大きく3つの活動を提案したいと思います。
1つ目は自分のこれからの人生を俯瞰して眺めること、いわゆるライフプランを立てることです。ここがすべての出発点になります。立てたライフプランは一度で終わらせず、常に更新する必要があります。ライフプランはファイナンシャル・プランナーが得意とするところ。作り方に関してはまた詳しく書きたいと思います。
2つ目は作ったライフプランを俯瞰して自分の人生に起こりうる様々なリスクに備えること。事故や病気のリスクはもちろん、2000万円問題で話題になった老後資金のリスク、そして人生100年時代における認知症や介護などの長生きリスク。お釈迦様は人生で避けることのできない苦しみとして「生病老死」を挙げておられますが、超高齢社会の現代ではまさに生きること自体のリスクが突きつけられています。
このようなリスクにそなえるためのセーフティネットが実はわが国ではかなり手厚く張り巡らされています。ただ制度の理解や利用がうまくできず無駄に生活を困窮させている世帯も少なくないのが現状です。イギリスの哲学者フランシス・ベーコンが言ったように「知は力なり」です。ぜひわが国の社会保障制度について浅くても広く知って欲しいと思います。
もちろん、遺言や信託、後見などの法的制度や、贈与税や相続税など税に関する知識を得ることも暮らしの大きな備えになります。また社会保険に上乗せして民間の保険を活用したり、貯蓄だけでなく投資を行ったりすることも様々な資金リスクへの備えになるでしょう。
このブログでは法律実務家の視点に加え、ファイナンシャル・プランナーとしての視点からも、そういった「備え」に関する情報を発信していければと思っています。
そして3つ目が人生の楽しみを見つけることです。
楽しみと一言で言ってもそれは人の数だけ無限にあるでしょう。家にこもって趣味に没頭する楽しみもあれば、外に出て各地をめぐる楽しみもあります(コロナ禍で難しくなっていますが…)。仲間と集う楽しみもあれば、孤独を楽しむこともあるでしょう。
なんでもいいのです。自分だけの楽しみを見つけましょう。同じ楽しみを共有する仲間が増えればまたそれもよしです。楽しみのない長生きだけの人生なんてクリープを入れないコーヒーみたいなもんですから(例えが古いですね)。
ニュースレターでも記事にしましたが、最近は上記3つの視点からさらに進んで、「楽しみ」「健康」「お金」「備え」の4つの視点で終活を考えることを提案しています。
すなわち、終活でもっとも重要なのは「楽しみ」であり、同じぐらい大事なものが「健康」。
そして必要十分な老後資金を用意しておきましょうということで「お金」。
最後に「備え」として、人生を俯瞰して見るためのツールとしてのライフプランニングや、認知症や介護に備えるための行政の制度や法律的な制度を知っておくこと。
言ってることは同じなんですが、「楽しみ」「健康」「お金」「備え」という4つの視点で考えた方がよりわかりやすいでしょう。
当ブログも4つの視点で(特に「お金」と「備え」は専門家の視点から)情報を発信していく予定ですのでご活用ください。
まずは
という手順で終活をすすめていきましょう。
ニュースレター掲載の記事はこちら。