死亡退職金に相続税はかかる?

Q.夫が亡くなり夫の会社から死亡退職手当金をいただきました。税金はかかるでしょうか。

A.「法定相続人の数×500万円」を超える部分については相続税の対象となります。

解説

退職手当金等(★1)については、故人(被相続人)の死亡後3年以内に支給が確定して遺族(相続人)が支給を受けた場合は(★2)、故人の相続財産とみなされ相続税の対象となります(★3)。

このうち、「500万円×法定相続人の数(★4)」で求めた額までは非課税ですが、これを超える部分には相続税が課税されます(★5・6)。

例えば妻と子2人を持つ夫が亡くなり妻が死亡退職金2000万円を受け取った場合、3×500=1500万円までは非課税となり、残りの500万円に相続税がかかってくるわけです。

もう少し詳しい解説

★1 「被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与」をいいます。(相続税法基本通達3-18)

★2 死亡後3年経過後に遺族が受け取った場合は相続税でなく「所得税」の対象となります(一時所得)。

★3 そもそも民法上は退職手当金は相続財産ではなく受け取った人の固有の財産なのですが(したがって遺産分割の対象とはなりません)、税法上は相続財産とみなされ、一定額を超えると相続税が課せられることになっています。死亡保険金と同じ扱いですね。
相続税法第3条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人(相続を放棄した者及び相続権を失つた者を含まない。中略)であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
二 被相続人の死亡により相続人その他の者が当該被相続人に支給されるべきであつた退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む。)で被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合においては、当該給与の支給を受けた者について、当該給与

★4 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます(相続税法3)。また、法定相続人の中に養子がいる場合の法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までとなります。(同15)

★5 相続税法第12条 次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
六 相続人の取得した第三条第一項第二号に掲げる給与(以下この号において「退職手当金等」という。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分
イ 第三条第一項第二号の被相続人のすべての相続人が取得した退職手当金等の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「退職手当金等の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した退職手当金等の金額
ロ イに規定する合計額が当該退職手当金等の非課税限度額を超える場合 当該退職手当金等の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した退職手当金等の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

★6 相続人以外の人が取得した退職手当金等には、非課税の適用はありません。また相続人が死亡退職金を受け取ったあとに相続放棄をした場合も、非課税の適用はなくなるので注意が必要です(相続欠格・廃除も同様)。

※掲載している情報は、2021年10月時点での法令・税制・商品等に基づきます。将来、法令・税制・商品内容等が変更される場合があります。

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NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員。相続アドバイザーとしての業務上の資格としては、行政書士(遺言書・遺産分割協議書・相続関係図・財産目録等の書面作成代理業務)、ファイナンシャルプランナー(税務・保険・年金・不動産などライフプランニングのコンサル業務)、宅建士(不動産の相続プランニング業務)、終活カウンセラー(エンディングノート・介護・成年後見・お葬式・お墓など終活コンサル業務)などを保有。また税理士・司法書士・土地家屋調査士・不動産鑑定士・測量士・弁護士など、相続案件の処理に欠かせない各種専門家との強いネットワークも有する。近時は「幸せな相続」実現のためのツールとしてのエンディングノートの重要性から、各種エンディングノートセミナーやワークショップの開催に力を入れている。