自筆の遺言が見つかった場合の手続は

Q.夫が亡くなったあと、自宅から自筆の遺言が見つかりました。必要な手続きはありますか。

A. そのままの状態で(封がされている場合は開けずに)保存しておき、家庭裁判所で検認という手続を行ってください。

解説

遺言を保管している人や遺言を発見した相続人は、遺言者の死亡を知ったあとすぐに遺言者の最寄りの家庭裁判所(★1)で検認(★2)という手続を受けなければなりません(★3)。

封印がされている遺言書は検認手続で裁判官が開封することになっています(★4)。

この検認を怠ったり、封印された遺言書を検認前に開封したりすると5万円以下の過料に処せられることがあります(★5)。

検認を受けなくても遺言が無効になるわけではありませんが、実際上、検認を受けなければ銀行や法務局で相続手続きができません。(★6)。

もう少し詳しい解説

★1 遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です。管轄裁判所はこちらで調べられます。

★2 検認とは、相続人に対して遺言の存在や内容を知らせるとともに、検認の日現在における遺言の形状、加除訂正の状態、日付、署名などの内容を明確にして、遺言書の偽造や変造を防止するために行う手続です。あくまで形式や形状を確認するだけですので、遺言の有効無効を判断する手続ではない点に注意してください。

★3 公正証書遺言や遺言書保管制度を利用した場合は検認不要です。
民法1004条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。

★4 民法1004条3項 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。

★5 もっとも開封したからといって過料に処せられることは実際にはほとんどありません(ただし処せられても文句はいえませんが)。遺言が無効になることもありません。うっかり開けてしまっても慌てず検認手続を行ってください。
民法1005条 前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

★6 自筆証書遺言にもとづいて銀行で預貯金の相続手続をしたり、法務局で不動産の名義変更手続をするときは、必ず検認を経たことを証する証明書(検認済証明書)の添付を求められます(遺言書保管制度を利用した場合は除く)。

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NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員。相続アドバイザーとしての業務上の資格としては、行政書士(遺言書・遺産分割協議書・相続関係図・財産目録等の書面作成代理業務)、ファイナンシャルプランナー(税務・保険・年金・不動産などライフプランニングのコンサル業務)、宅建士(不動産の相続プランニング業務)、終活カウンセラー(エンディングノート・介護・成年後見・お葬式・お墓など終活コンサル業務)などを保有。また税理士・司法書士・土地家屋調査士・不動産鑑定士・測量士・弁護士など、相続案件の処理に欠かせない各種専門家との強いネットワークも有する。近時は「幸せな相続」実現のためのツールとしてのエンディングノートの重要性から、各種エンディングノートセミナーやワークショップの開催に力を入れている。