遺産の分け方

 Q. 家族が亡くなり相続が発生しました。相続人はどのように遺産を分ければいいのでしょうか。

A. 遺言があればそれに従います。なければ相続人のみなさんが話し合って分け方を決めてください。もし話し合いがつかなければ、裁判所を利用する方法もあります。

解説

遺産分割は亡くなった方(被相続人)の残された財産(遺産)について権利者を定める手続です。遺産分割の方法としては「遺言」による方法、相続人の「協議」による方法、裁判所の「調停・審判」による方法があります。

まず、被相続人が遺言を残しておられれば原則としてこれに従います(★1)。
遺言執行者の定めがある場合は遺言執行者が遺言の内容に従って遺産を分割します(★2)。

遺言がない場合は(★3)、相続人(★4)全員で協議して分け方を決めてください。

法律でも一定の相続割合を定めていますが(★5)、皆さんの話し合いのほうが優先されます。

話し合いが困難でどうしても揉めてしまう場合は裁判所を使う方法もありますが(★6)、まずは弁護士や相続アドバイザーに相談してみてください。

相続は譲り合いの精神で、できるだけ話し合いで円満に決めるのが理想です。

もう少し詳しい解説

★1 被相続人は遺言によって自己の財産の分け方(分割の方法)を決めておくことができます。
民法908条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

★2 民法1006条〜1024条

★3 遺言で遺産の分割を禁じている場合(民法908条)を除き、遺言があっても相続人全員の協議で遺産分割することは可能です(遺言執行者がいる場合はその同意も必要)。
民法907条1項 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

★4 民法886条〜895条。配偶者(夫・妻)のほか、ざっくりと(1)子(2)親(3)兄弟姉妹、の順で相続人になります。詳しくはこちら

★5 法律に定められている相続割合(法定相続分)は次の通りです。揉めた場合の拠り所といえるでしょう。
相続人が(ア)配偶者と子の場合:1/2 ずつ(イ)配偶者と親の場合:2/3と1/3(ウ)配偶者と兄弟姉妹の場合:3/4と1/4。
民法900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

★6 分割協議がまとまらないときは相続人は家庭裁判所に分割を請求できます。一般的にまず調停(裁判所での話し合い)手続で解決を試みます。調停ではまとまらない場合は、審判(裁判官に決めてもらう)手続に移行することになります。なお審判では基本的に法定相続分どおりに分割されることになります。
民法907条2項 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。


 

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NPO法人相続アドバイザー協議会認定会員。相続アドバイザーとしての業務上の資格としては、行政書士(遺言書・遺産分割協議書・相続関係図・財産目録等の書面作成代理業務)、ファイナンシャルプランナー(税務・保険・年金・不動産などライフプランニングのコンサル業務)、宅建士(不動産の相続プランニング業務)、終活カウンセラー(エンディングノート・介護・成年後見・お葬式・お墓など終活コンサル業務)などを保有。また税理士・司法書士・土地家屋調査士・不動産鑑定士・測量士・弁護士など、相続案件の処理に欠かせない各種専門家との強いネットワークも有する。近時は「幸せな相続」実現のためのツールとしてのエンディングノートの重要性から、各種エンディングノートセミナーやワークショップの開催に力を入れている。